117. アリストテレスの贈り物

意図を理解してもらい自説の解決方法を説得納得してもらう事は、我々が日常頻繁に経験し葛藤する課題の一つです。 自己以外の他人を説得しある種の決断や行動を促す必要性に気づいていないようでも、これ毎日出会い経験しているはずです。 小生は家族相手・腹を割った友相手ですら、自説説得の難しさを日頃経験しています。 ましてや、投資家・顧客・ボードメンバー・パートナー・組織内ステークホールダー・組合・選挙民を相手に、誤報が飛び交う今の社会では、自説を他人に分かってもらい行動に導く事は益々難しくなっていますね。

こんな世の中故、自己の論点を明快に伝え、自説を他人に説得する事の重要性を感じ模索しておりました。 こんな折、数日前我が町の図書館にてアリストテレスのレトリック修辞学に関する二冊の本を見つけました。

一つは、アリストテレス自書の「レトリック修辞学 On Rhetoric」ジョージ・ケネディGeorge Kennedy英訳(2007刊)。もう一つは、ロンドンのキングズ・カレッジKings College教授エディス・ホールEdith Hall著の「アリストテレスの法則 Aristotle’s Way」(2016刊)。

紀元前4世紀のギリシアの哲学者で、プラトンの教えを受け、マセドニア王のフィリップ2世Philip IIに呼ばれ後のアレキサンダー大王となった王子アレキサンダーAlexanderIIIの家庭教師として仕え、後にアテネにてリシアムLyceum学校を創設し、哲学ならず、科学全般を教えた西洋思想骨幹の巨人。 恥ずかしながら今まで真剣にアリストテレスの修辞学を学ぶ事無く過ごしてきました。 毎日、性を出し励んで勉強するつもりでいます。

同時に2300年以上もの長い間多くの学者が紐解き紹介しているアリストテレスのレトリック基本をもう一度整理勉強するのは、今だからこそ以前にまして重要かも知れない。 ハーバード・ビジネス・レビューHBR(7/15/19)にハーバード大インストラクターのカーマイン・ギャロCarmine Galloが「説得のアートは2000年変わっていない」とのコラムを投稿しているのにも気がついた。ギャロ氏が要約している五点をリストしてみよう。 

1)Ethos:話し手キャラクターの信頼性

2)logos: 論理性を持つ理由付け

3)Pathos:聴き手の感情に訴える

4)Metaphor: 比喩隠喩を使った映像化

5)Brevity: 単純明快な短いメッセージ

更にアリストテレスの重要なメッセージは、人間誰でもこのレトリック術を訓練し磨く事が出来ると言うことも学んだ。 相手の行動を変え意図が伝わらないメッセージは意味をなさない。 アリストテレスの贈り物の古典をもう一度習得する必要がありそうですね。

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