89. 真実のパワーを行動に

歴史家であり且つリベラル・アクティビストでもあるハワード・ジンは10年前に亡くなったが、彼の著名な代表著書「人民の米国史」(1980年刊)は多くのインテレクチョアルに新鮮な歴史視点を与えた。 元PBSジャーナリストのレイ・ソアレスがジン氏の生前2007年にこの著名な歴史書のエッセンスを探りインタビューした2019年刊「真実のパワー」Truth has a power of its ownを読み終えた。

ジン氏の「人民の米国史」は確か15年前に購入したが、あまりにも膨大なページ数のためか完読できずにいた。 ジン氏の「青年版の人民の米国史」を偶々図書館で借りて読んだことから、「真実のパワー」も合わせ読む機会となった。

プログレッシブな民衆視点で経験した歴史資料からの米国史観は新鮮でインパクトがある。 白人土地所有者であった建国の父達や、富を手にした一部の白人富裕層のみがリーダーの地位に就いた者を中心に述べられる勝者支配層の歴史を、我々は教えられてきた。 米国歴史も、インディアン先住民や、奴隷、女性、組合運動アクチビスト、マイノリティからの視点を中心に眺め見る視点は簡単なようで、長い間常識とされてきた既存概念に我々は縛られていると感じる。 他人の視点からと簡単にスウィチ出来ないし、他の人々の体験を残念ながら肌身で感じる事の大変さに気付く。 

米国大統領選を来月三日に迎える今こそ、民主主義を求め続けるパワーを持ち行使していく事を再度認識し直す必要があると、感じる次第。

コロナ禍で自粛生活も余儀なくされ体験して感じた点が三つある。 

第一は、人間は社会接触が必要な社会的生き物であるという事。 

第二は、社会コンタクトに依存するが故、誤情報は何時の世でも安易に我々の視点に入り込み一人善がりに陥りやすい事。 

第三は、本当の真実を見抜く冷静な判断力は、好奇心と疑い続け研磨する心。

「真実パワー」が教えてくれた要点は、歴史から学部という事は将来への行動起動とならない限りは意味がないという点。 

そして、本書の最後にジン氏が挙げたのは以下の四つのパワー。

組織化、不屈の持続性、熱い道徳心、強い確約心。

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