米国マイノリティーはヒスパニック。米国ラティーノ人口58百万人は米国人口の18%を占める。ラティーノ社会が米国消費者市場に多大な影響力を持つ。トランプの反ヒスパニックの言動は許しがたいが、政治的にも長期に見ればこのグループの影響力はクリティカルになる。
ロシアで開催中のサッカーW杯も明日からトップ16国ファイナンス・ラウンドに日本もフェアプレイ・ルールのお陰で何とかベスト16にはいったが、米州スペイン語圏の4国が進出を決めた。米国スペイン語の米国でのW杯TV放映権は前回ブラジルW杯までユニビジョンが独占していた。しかし、テレムンドが7年前に2018と2022のW杯合わせて、600百万ドルと巨額な放映権にてユニビジョンを初めて蹴落とした。
今や、親会社のコムキャスト傘下にはいり米国ヒスパニック市場でのリーダーを目指している。本社もマイアミに新設され、番組プログラミングの鞍替え更新を急ぐ。5年前はユニビジョンの視聴率の半分しかなかったが、最新のニールセン調査結果ではプライム時間帯でユニビジョンの1.7百万人に対して1.4百万人の視聴者と肉薄している。
このテレムンドの戦略は簡単明快だ。
キーワードはスポーツ、特にサッカー。W杯の2018と2022は述べたように決定、北米3国に開催が決定した2026もFIFAから保証されているという記事も目にした。スポーツ・プログラミングを向上させ、サッカーはやはりスペイン語で観るものと豪語する。どのメディアもブランドもミレニアム世代獲得に躍起だが、米国生まれのバイリンガルのヒスパニックのヤング世代も大半がサッカーのライブ・ケーブルTV観戦はスペイン語を好むらしい。
さらに、デジタル・モバイルも積極的に行っており、ライブ・ストリーミングやコード・カッティングに対応している。そうそう女子サッカーW杯の放映権も手にしている。欧州のプレミア・チームで活躍する中南米出身のサッカー選手をもフォローする番組、メキシコ・リーグの放映権等、サッカー戦略を着々と進めている。
あの「ゴオーーーール」は間違いなくスペイン語訛りでないとサッカーの気がしない。
ヒスパニック市場絞り込み、スポーツ・プログラムのフォカス。W杯。ミレニアム。ストリーミング。モーバイル。見事な戦略です。
Got Strategic Marketing?