31. 食を欲すメニュを作れ

本日6/20/17のNYタイムズのサイエンス・セクションに小さな記事が載っていた。学生達に健康で栄養のある食事を取ってもらいたいのは何処の国の大学食堂でも同じ。全米医学連盟ジャーナルJAMAが米国大学数校の食堂カフェテリアで実験した統計結果の話。同じ皿の盛り付けでもメニュ表記を変える事により学生達が好んで選ぶ皿が大きく変わるという話。

食堂サイドのロジックでは、「健康食」「オーガニック」等のメニュー表記が学生の選択にプラスに影響すると考えていた。しかし「味」「舌触り」「匂い感」等の食感に訴える感情表記を添えたメニュ表記の方が30%以上も多くの学生に選択される結果となった。つまり食べ物の選択は頭で考える表現より、食欲をそそり舌食感に訴える表現の方が説得力があるという結果です。

全く同じように、ビジネス問題解決の製品・サービスのオファーも表現の仕方によって成否が分かれますね。オファー・サプライ・サイドの一方的な、顧客行動を促す感情にリンクしていない成果解決見積もりはゴミ捨て向けの運命を辿ります。同じ内容であっても、顧客感情に訴え顧客の行動を促すメーセージ伝達まで注力するオファー効果表現が出来れば受け入れられる。顧客の苦痛問題を解決するオファーは、顧客体験レベルを感情で認知いただけるまでブレークダウンし磨きをかけなければ、相手にその価値が認知されません。顧客を行動誘発まで導き行動変化を説得出来なければマーケティングの成果なし、との教訓としてこの大学食堂カフェテリア・メニュを読みました。

我々はサプライ・サイドの一方的なバイアスが掛かった価値を前面に出し勝ちです。サプライ・サイドの頭で考えるロジックでは顧客は動かないという事をついつい忘れてしまいます。時間を掛けて顧客のニーズをよく理解したつもりでも、感情に訴え行動に移してもらう事が何と難しい事かよく体験することです。

大学食堂カフェテリアのメニュ表記の教訓をもう一度頭に入れて、マーケティングの基本に戻りましょう。顧客が舌肌で感じる興奮する感情まで踏み込み、行動を起こしてもらうような顧客サイド「食感」体験をタイミングよく伝達が出来て初めてサプライ・サイドが提供する価値が認知された事になります。

顧客に行動に移してもらう事が出来なければ、マーケティングは失敗という事を肝に命じましょう。

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