112. 存在意義の追求実践

1973年創業し、加州ベンチュラに本社を置くアウトドア・アパレル大手、パタゴニア。 現在83才になロック・クライマーのイヴァン・ショイナードが山岳登山の悪環境に耐えうる登山ギアを手作りして登山仲間にも販売したのが創業の逸話である。 以来、熱狂的ファンに支えられてアウトドア関連アパレルの大手ブランドとなった。 地球温暖化の環境維持の団体等に売り上げ一部を提供する、ユニークな創始者のミッションを具現化して、私企業ながら企業価値30億ドルとも言われる。

今月9月中旬に創始者イヴァン・ショイナードは、パタゴニア社を売却することも、持ち株一般公開IPOをもせずに、特別信託に2%、環境保護ノン・プロフィット新組織に98%譲歩すると発表した。 妻や二人の子供の家族に経営権委譲もしないと 翌日、米国主要メディアが「企業資産・富の無償放棄」としてビジネスのトップ記事として報道した。 多分40%近くの相続税や譲与税を払わない方法との皮肉ったコメントも見受けられた。

イヴァンは、新しい資本主義の姿モデルとして、政府機関が本気積極関与しないのなら、築き上げた自己企業を放棄しても地球環境保護への投資を続ける事が、ビリオネアとして唯一つ自分に出来る事とコメントした。 パタゴニアの将来には一般株公開は必要なく、企業ミッションに沿った企業存在意義を追求実践するのが自分の仕事としている。

数日後、NYタイムス紙のオピニオン欄に、元TVアンカーで活躍したジャーナリストのトム・ブロコウがイヴァン・ショイナードの人柄と彼のこの決断に関して記載していた。 冬山登山やマウンテンクライマーとして知り合った親友として紹介していたが、今だに修繕したシャツやオンボロのスバルに乗るショイナードには、創業時から金儲けなど一欠片もない、地球環境保護アクティビストと表現している。

生きている意義、生きて行く意義。 

個人も企業も、存在意義を追求実践し続けるのが、地球で生まれ育った者のミッションとも言えますね。

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