135. ナラティブ経済学

ストーリ性を持ったナラティブの重要さはよく理解できますね。 ビジネスのみあらず、私的コミュニケーションでも、相手に理解してもらったり説得したりする際、理にあったナラティブで対話しないといけないと感じる体験を数々しています。 反対に、メディアから流れる誤情報を鵜呑み信じて影響される事が多くありますね。 コミュニケートするのにナラティブの持つ重要性を感じていました。

そんな中、2019年刊のロバート・シラーRobert Shiller著の「ナラティブ経済学Narrative Economics」副題「如何に物語が流涎し、主要な経済イベントを回立てるのか How Stories Go Viral & Drive Major Economic Events」を読んでいる。ご存知のように、著者シラー氏はエール大学経済学教授で、2013年にノーベル経済学賞を受賞した有名経済学者。 ケース・シラー全米住宅販売動向を示す指標でもよく知られているのはご存知の通り。

本書の面白い視点は、流行感染病学でウィルスが感染しエピデミック状態になるモデルを元に、過去の主要経済パニックやバブルに至った社会流涎ナラティブにフォーカスする事が今までの経済学では何と少なかったかを説明している点である。小生今まで見慣れたような気になっていた米国経済社会のアップ・ダウンの原因理由を再度見つめ直す機会となりました。

シラー氏のナラティブ経済視点は、経済指標や株価では測りきれない我々の日常行動や噂流涎させる我々の感情行動習性が大きな経済イベントに影響与えるという見方です。経済指標と日常生活実感との間に大きな乖離があるのをいつも感じておりました。 社会サイエンスとしての経済理論が不完全であるにせよ、ナラティブ経済学視点でもう一度、風評に惑わされぬ視点を持ちたいものですね。 我々にとって大変興味ある視点ですね。

米国大統領選もあと2ヶ月半。 ナラティブが選挙民に果たす役割に注目してみましょう。

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