134. 撤退の美徳

米国大統領選結果は世界中への今後4年間の行方を左右する。 昨年2023年に米国投票権を取得した小生にとっても、一人称レベルで米国民主主義実践できる機会を大切にしたいと思う。

そんな中、バイデン大統領が再選断念したニュースが週末日曜日7/21/24に駆け巡った。今年11月5日の大統領選に向け、民主党は統一候補を8月22日の全国大会にて正式に承認し、100日程しかない短期間にて戦略リセットし選挙戦に入る事となった。 リアルタイムにて米国民主主義のダイナミズムを側からそして個人で体験するこのタイミングを有難く感じる。

「約束責任の拡大」”Escalation of Commitment”と言う表現を、7/6/24版NYタイムズのオプエド欄のペンシルバニア大ウオートン校集団心理学教授アダム・グラントAdam Grantの投稿記事から学んだ。 決めたコースを突き進むのはリーダーの力量でもある一方、リーダーのエゴで決断した道筋から外れることの難しさを指摘している。 投資した時間とリソースを理由に、コミットメントを撤退する事の難しさの実例は山とある。 リーダーのエゴ、データ分析の目隠しする習性、自己確信誤診する人間習性、ステイタスクオで利を得る取り巻きアドバイザーの存在等、組織や社会に対する本来のリーダシップに要求される方針変更や撤退決断の難しさと、リーダーシップに撤退変更を納得させる難しさを語っている。

年齢による体力知力説得力会話力老化現象を自ら感知し、再選活動撤退する英断したバイデンのタイミングは遅すぎるとの批判もあるものの、評価できる撤退宣言だと思う。

事業撤退や引き際タイミングは外から見れば当然と思える事も、本人には見えない事のなんと多い事でしょうね。 本物のリーダーたる資格を問う試金石ですね。

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