131. 報道自由を守れ

3/29/24付ウオール・ストリート・ジャーナルWSJ紙面版の特別インサートの一面トップ表紙の大半は白紙ブランクだった。 WSJ海外特派員ジャーナリストのイヴァン・ガーシュコビック Evan Gershkovickがロシアにてスパイ容疑で拘束監禁されて丸一年目を迎えた日、白紙ブランク記事にて抗議し即釈放を要求した。 2022年のロシアのウクライナ侵略以来、ウクライナ寄りや現ロシア体制批判記事を書くロシア同国ジャーナリストやロシア在外国人レポーター達はロシアを去った。ガーシュコヴィックも他社ジャーナリスト達と共に英国ロンドンに移り住み、出張ベースでロシア訪問レポートしている矢先の強制逮捕拘束監禁となった。 裁判の日程が未だ決まらずに監禁状態のまま一年を牢獄で過ごしている。3ヶ月後と予想される裁判も、不透明な一方的裁判が予測される。

ガーシュコヴィック氏はまだ若い32歳の身の危険リスクを超えて真実を報道する事に長けたジャーナリストである。 得意のロシア語を駆使し真実を世界に伝える海外特派員ジャーナリズムをエンジョイする勇気あるジャーナリストの一人。 両親はユダヤ系で冷戦時1970年代に当時のソビエト連邦からユダヤ系ロシア人迫害を避け米国に亡命した。 ニュージャージ州のプリンストンで育ち、家ではロシア語を話して育った。 海外特派員ロシア駐在ジャーナリストとして取材真実レポートする仕事は彼にとって理想の職だった。 両親が逃避したロシアの地で拘束監禁される事は何と皮肉な事でもある。

フランスのパリ・ベースの弁護団体であるレポーター・ウイズアウト・ボーダー Reporter-Without-Borderの資料に拠れば、本年2024年現在、世界中で不当拘束監禁されているジャーナリストの数は何と520名にも上るとある。誤情報や錯乱を意図した工作情報が頻繁に飛び交う今の世界の中で、我々はジャンク情報に取り囲まれていると言って良い。何が真実かを見極めるのはいつの時代でも大きなチャレンジではあるが、見極めの大部分は信頼のおける報道ジャーナリズムに依存せざるを得ない。 商業利益を追求する事がプライオリティになりがちな全世界のメディアは商業マーケティングに陥る。 信頼できる発信元を精査分析できる真のジャーナリズムを守らなけらばならない。 信頼できるジャーナリズムは、勇気あるジャーナリスト達が偏見とバイアスに頼らない自由取材し真実をリアルタイムにて報道できる報道自由が保障されない限り、我々は真実から目隠しされ白紙ブランク記事を読まねばならない。 誤情報よりマシなんて洒落も悪いジョークになってしまう。

ジャーナリストを守れ。 ジャーナリズムを守れ、と心から思う。

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