いつ終わるか分からぬ余生をどのように過ごすか問いながらこの数年過ごしてきた。 特にコロナ禍でのこの3年ほどこの問いに向かい合うことが多かった。
多分そのせいかも知れぬが、先月から古代ギリシャ哲人のアリストテレスの説く倫理を読んでいる。その中で、古代哲人から学ぶ人生の生き方を学び教えてくれた本がある。
ロンドン・キングズ・カレッジ教授でギリシャ古典の権威でもあるエディス・ホールEdith Hall著「アリストテレスの道」Aristotle’s Way(2017年刊)。 古代の知恵から学ぶ人生 How Ancient Wisdom Can Change Your lifeを副題とする本書はこれからの我が人生の指針の一つとして将来にも参考にしたいと思う本である。
紀元前4世紀に生きた古代ギリシア哲学者アリストテレスAristotleは自然科学者でもあり動物学始祖としても知られる。マセドニアMacedoniaのエーゲ海沿いのスタジェイラStageiraで医者の子として生まれた。その後アテネAthensに渡りプルートPlatoのアカデミーAcademyにて最も優秀な弟子として学び、その後マセドニアのフィリップ二世王Philip IIから依頼受けその王子のお抱え家庭教師として務めた。 その王子は後のアレキサンダー大王Alexander III (the Great)となる。 アレキサンダー大王のアジア制覇には合流せず、アテネに戻りリサーチと大学の最初として知られるライシーアム学園Lyceumを創設し、倫理を元にする修辞学を教えた。 ソクラテスやプラトンら先代哲学者とは違い、アリストテレスは科学的で実証経験ベースのプログラミストであったようである。
本書著者ホール氏は、自らの人生での私事のエッセイを交えて、人生・潜在性・決断・コミュニケーション・自己知識・動機・愛・コミュニティ・レジャー・死に亘る10項目にて触れている。アリストテレスの説く美徳行使・悪徳排除の思考ツールを基に、意義ある人生の示唆となる価値・習慣をアリストテレス倫理と彼の教えを見事に融合させ、大変ユニークな書物となっている。 古代哲人の巨人が教える人生と向かい合う気にさせる良書である。
我が人生どれほど短いか分からぬが、残り人生の生き方を変えようという気にさせ指針を受けた「アリストテレスの道」であった。
個人事でも組織でも、大事な核となる価値ノーススターが必要ですね。
本物に共通するのは時代を超えたユニバーサルな価値基準であると改めて思い知らされます。
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