101. オークツリーの知恵

ダグラス・トーラミーDouglas Tallamy著(2021刊)の「オークの自然」Nature of Oaksを先日図書館で借りて読んだ。 副題に「我々の最も必要不可欠なローカル・ツリーの豊富なエコロジー」とある。 NYタイムズ・ベストセラーとして彼の「自然のベスト・ホープ」Nature’s Best Hopeがあるようだが、まだ読む機会がなかった。

自然に学ぶ事は沢山ある。コロナ禍で、我が家の窓から庭の木々を眺める事が多くなり以前より自然を観測機会が沢山あった訳だが、何も見ていなかったと思う次第。 特に我が家には多分百年を超える大きなホワイト・オークがあるのだが、本書を読んで開眼させられた。

毎日目にしているホワイト・オークに自然界の生存・再生エコシステムの知恵が詰まっているのに、何も見ていなかったのだとつくづく思う。 

本書は十月から始まり九月で終わりそれぞれの季節に従い、,デラウェラ大学昆虫学ワイルド・ライフ・エコの教授である著者の目からみるオーク・ツリーのエコシステムを綴っている。 北米の気候にあったオークの植樹を始める事から、エコ活動を始めようと説いている。

この本で新しく学んだ事が数々ある。 

まず第一は、環境保護グリーン運動を開始する際は、もっともエコ・ダイバーシティ化に影響力を持つローカル樹木を選ぶ事。 単純なようだが、今一歩踏み込んで長期視点にて地球環境に一番貢献する樹木、ここではオーク、を選ぶ事。 包括効果を頭に置いて、選定アイテムを考慮する重要性を著者は暗示している。 組織・事業でのプライオリティ選別の重要性と同じですね。 簡単なようで難しいいのが常。

第二は、ある年に異常に発生するオーク・ドングリの実のマスティングMastingと言う言葉。 同じパターンでドングリを増殖するとそれを主食エネルギーとするリスやブルージェイやキツツキ達に食い取られるのが理由と言う。 生存再生の見事な戦略に驚く。 時々圧倒する量にて生存を賭ける知恵は示唆深い。

もう一つは、植樹する際は単独ではなく最低三本の木を10フィード間隔で植える事。 数本だと根がインターコネクトしてサポート仕合い強風に負けなく生存可能性が増す事。 新規事業や新天地での展開人材戦略にも、単独一人依存ではなく数人のグループにて展開する戦略策定にも応用出来そうな自然の教えがある。 一握りの仲間コミュニティの重要さを知る。

あともう一つ学んだ事はマザーツリーからは距離を置いて植樹する重要性。 離れた新天地で新しい樹は十分な太陽光線を浴び、マザーツリーの支配する根ルーティングをも避け、水分も十分に供給される事。 ガードナーやナチュラリストからすれば常識事だろうが、改めて自然の存続再生戦略に驚嘆する。 ステータス・クオのシステムや既存事業管理下でなく、親離れを意識しての着地何処、独り立ち戦略の重要性の示唆でもあると感じた。

自然界は大きな教えの宝庫。 まだまだ人類は自然を知らな過ぎる。

気候変動対策も事業成長戦略も、裏庭のオーク樫の木から学び始めよう。 裏庭の自然に回答解決有り、意識して学びを乞う謙虚さが改めて求められる。

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