92. 事実真相視座を磨け

目の鱗が落ちるようなインパクトを与える本に出会う事は少ない。 先月読んだハンス・ロズリング著の「ファクトフルネス」(2018刊)はそんな希少な影響を与えた本としてあげる候補の一つと言えよう。  著者ロズリングはドクターズ・ウィズアウト・ボーダーの共同創始者の一人で、このノン・プロフィット組織がノーベル平和賞を得た活動でのキーメンバーの一人。 スウェーデン国籍の医者でアフリカ・アジア諸国をはじめ世界中で医療ボンランティア活動を長年続けた一人。 2017に亡ガンで亡くなる前に息子夫婦と共著にて本書を書き下ろすプロジェクトを開始したが発刊直前に亡くなった。 

思い出せば、小生10年程前ワシントンDCで開催されたエネルギ省主催の環境関連先端技術コンフェランスに参加した際、著者ロズリングが当日のKeynoteスピーカーでスウェーデン訛り英語でユニークなプレゼンを生で聴く機会があった。 そのプレゼンは世界人口予想で、息子夫婦作成のギャップ・マインダーのプレゼン・ソフトを使いダイナミックでしかも示唆に富んでおり参加者皆を魅惑したのを良く覚えている。

誤情報が飛び交い風評が世間に蔓延する今日こそ、ロズリングが挙げる真実真相を透視する視座を磨き、誤報に惑わされない事実を見る癖を身につける重要さを今更ながら痛感する。

ロズリングは、世間でエキスパートと呼ばれる人々さえも事実を誤解していると警鐘する。 彼曰く、エキスパート程過信により真実が見えぬと、講義スピーチでの専門家集団がチンパンジーより低い事実認識レベルとのアンケート・データを元に説明している。 我々の持つ所謂知識とは、数十年前や数年前の古い情報に頼った情報である事が多々多く、バイアス満悦の誤解した情報が事実としてまかり通っていると唱える。 世の中環境は変化をしている。 世界と数字をみる基準を変えようと説く。

ロズリングは事実真相視座を鍛える為、直感で惑わされ勝ちな人間習性を避ける10の鍵を「ファクトフルネス」で紹介している。 1)ギャップ、2)ネガティブネス、3)直線推移、4)恐怖心 5)サイズ、6)一般化、7)デスティニー、8)単一視点、9)非難対象、10)緊急に分け、医者としての著者本人の失敗事例を元に、真実誤理解に陥り易いトラップを明快に説明している。

因みに、ロズリングはパンデミック危機を予測警告してきた数少ない一人で、ビル&ミランダ・ゲイツ財団の活動へも大きな影響を与えている。 

事実真相ベースの元情報を正確に咀嚼分析しない限り、解決法も戦略もないと言う事を忠告している。

大事な教訓に詰まった本に出会えた。 しなし、そこにはどうやって真実真相を誤報バイアスされた人たちに伝達するのかは、述べられていない。 これが誰にとっても大きなチャレンジとなる。 こころして精進しようと思う。

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