88. Lord & Taylor倒産に学ぶ

NJ州の人口3万人弱の小さな我が町のダウンタウン駅沿いに小売業老舗デパートのロード&テイラーがある。
 
L&Tは先月8月始めにチャプター11・連邦破産法適用を発表以来、再建策にて買い手を模索していたがオファーなく倒産にいたり、事業撤退・38全店舗店じまいと決まった。 店舗とオンラインともに在庫一掃セールが寂しく響く。 小さな町にとって最大の小売業者税金納税店舗の倒産は大きな痛手となる。 思い出せば、我輩の洋服やクリスマス・ギフト購入時には地の利あってショッピングするのに便利だった。

L&Tはそもそも、マンハッタンのローワー・イーストサイドにて1826年に布・糸を扱うドライ・グッズ・ストアーとして二人の英国移民によって創業された米国最古の老舗デパートである。 1914年に五番街ミッドタウンに旗艦店をオープンして以来、店内に複数レストランやパイプオルガンをもつコンサートホールを構え、クリスマス時期の街頭デコレーションはニューヨーカーに人気があった。 

この五番街旗艦店ビルの最近2−3年の所有者変遷が皮肉にも市場ニーズの激変度を表している。 シェアード・コーワーキングのWeWorkの事業拡張期に、WeWorkに売却された。 そして、今年始め、WeWorkが債務超過で親会社ソフバンクの頭痛の種が公になって以来、こっそりアマゾンへ売却されオーナーシップが移った。 老舗総合デパートから、飛ぶ鳥も落とす勢いだったシェアード・ワーキング・スペースを経て、Eコマースの雄への所有者移行は、冷酷な資本主義の縮図である。 

マンハッタンの中でも、B・アルトマンやバンバーガー等始め多くのデパート競業との差別化を二十世紀後半余儀なくされたが、L&Tは、ブルーミングデールほどトレンディでなく、サックス・フィフス・アベニューほど高級でもなく、メーシーズほど巨大店舗面積でもなく、程よい店舗サイズとミドル市場のニッチを保ちながら20世紀を生き抜けてきた。 

ここ二十年ほどは、50歳代の郊外に住む主婦をターケットにして生き延びてきたが、Eコマース対応や明確な差別化ブランド欠如にて冴えないデパートと成り下がって久しい。 昨年、サンフランシスコに拠点を置く、オンライン衣料レンタルのスタートアップのレ・トートが、サックス・フィフス・アベニューをも傘下に持つカナダのハドソン・ベイから$100Mにて買収した。  ミレニアル世代をターゲットにしたレ・トートの事業基盤がどう50代主婦と相乗効果を上げるのかが疑問視された買収であった。 

小売業大手はコロナ禍でトラフィックが激減し客足が遠のき、軒並みに破産法適用している。 JC ペニー、ニーマン・マーカス、ブルックス。ブラザーズ、Jクルー、アン・テーラー等、挙げたらきりがない。  高級ブランドの廉価ディスカウント・ストアのビジネス・モデルを作ったセンチュリー21もチャプター11適用後、事業閉鎖のようだ。 

高級スーパーのホール・フードを傘下に収めた巨人アマゾンと、生鮮食料品部門を数年前から加えたウォールマートの両巨人だけが、見事にステイ・ホームを余儀されるコロナ禍経済のエッセンシャル需要対応し業績を伸ばしている。

コロナ禍が突きつける無情な勝敗結末は、小売業に限らず全ての事業経営に大きな教訓を与える。 

中途半端にオンライン化を図って、且つ、旧事業モデル維持を捨てきれない戦略実行不履行の事業はコロナ危機に生き残れない。 勝者敗者の二極化は無情にワープ・スピードで進んでいく。

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