黒人ジョージ・フロイド氏がミネアポリス警察官4人に窒息殺害されたビデオが流れた。このビデオに端を発し人種差別による殺害公正処分を求める抗議デモが全米中に広がった。 スタートしてから既に二週間も続く連日のブラック•ライブズ・マターBLM運動の抗議デモのスケールの広がりとデモ参加者の多様性は遥かに想像を超える。 コロナウイルス感染を恐れず街に繰り出す連日の抗議デモは1960年代の公民権デモを彷彿させる。全米都市で繰り広げられているこの抗議デモはミレニアル世代やZ世代だけでなく白人層を含む多人種構成の特性がある。 コロナウイルス感染リスクを覚悟して連日繰り返されているデモはスタート時点で略奪に発展した経過があるものの、平和抗議デモに戻った。 米国社会で今だに続くの人種差別や、理不尽な富分配・富める者と貧する者の経済格差・機会不均衡の米国社会の病理弊害の根の深さを、このコロナウイルス感染パンデミック危機が鮮明に浮かび出すことになった。
1960年代公民権運動が米国社会を変えたように、今回のBLM運動は、ミレニアル世代・Z世代が渇望する社会価値変革や、現行トランプ政権への大きな恐怖心を持つ米国民主主義の修正を求める多様化層をも巻き込み、ユニバーサルな社会価値への変革契機となる気がする。
明らかに異種多世代を巻き込んだ大きな変革ポテンシャルを感じる。 今年11月3日の大統領選結果を左右する動き潮流として無視できないパワーを秘める。 投資家主体の利益主導企業価値への変革を突きつけるインパクトをも持つと言って良い。
本日6/11/20付NYタイムズのビジネス・セクションでクレスウェルとドレーパー両氏の取材した興味のある記事を目にした。 米国アディダスの黒人社員達が、このBLM運動への公正な認識、人種差別への謝罪、自社経営陣の人種公正対応是正等を盛り込んだ意見書を、アディダスのドイツ本社に送りつけた。 翌日、従業員個人名を公示した意見書をマスコミ公開した。 経営陣にアディダスの企業価値変革を求めた従業員アクティビズムである。 スポーツ・アパレル会社として、アディダスはナイキ同様に黒人アスレートを前面に出し商品プロモーションしている。 スターアスレートがブランド大使として利用されるマーケティング戦略をとっている。 意見書にはアディダスがBLM運動への歴史認識がないとし、経営陣に企業文化変革を迫った。
結果、米国アディダスは、今後の新規採用の30%は黒人・ヒスパニックとする事と、今後5年間に年50名の黒人学生に大学学費スポンサシップを設定する事の確約を取り付けた。 マネージメントやボードメンバーのマイノリティ比率は依然とてつもなく低い現状を解決する確約は取り付けれれなかった。
投資家アクティビストが企業取締会に経営戦略ESG変革を迫るのと同様に、従業員アクティビズムが経営に影響を与える事例が多くなっている。 フェースブック、グーグル等の授業員やマネージャーが防衛関連入札反対や、人種差別反対にてワークアウトや反対表明する事例を上げればきりがない。
従業員が社会理念に反する雇用企業経営方針に反対を訴えオープンに変革を求める従業員アクティビズムは、組合を持たない業種での企業理念是正や公正な経営施策を求める大きな潮流である事を承知する必要がある。
BLM運動、ESG、ミレニアル世代価値が、大企業の利益主導企業価値姿勢を変革する。
コロナウイルス危機後の企業存続と事業成長には、従業員アクティビズムと投資家アクティビズム、究極には顧客アクティビズムを感知し、社会公正への潮流を積極反映する経営リーダーのガッツある価値意識変革のが求められる。
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