69. ミレニアルとブーマーを追う

ブルッキングス研究所の1月31日掲載レポートが大変興味深い。同研究所シニア・フェローのウィリアム・フレイ氏が連邦人口統計局の2012〜2017の5年間の米国コミュニティ・サーベイを元に投稿してます。

55歳以上のシニア(ベービーブーマー世代)と25〜34歳のミレニアル世代の州越え移住パターンのレーマン破綻後の2007〜2012の5年間の時期と比較したトレンドに言及しています。

この二大世代の州間移動行動の人口統計結果は、今後の米国社会の行き先を予測する際に大変役に立ちます。本レポートは州別統計と百万人を超える全米53越州メトロポリス別統計に分類されていて、米国社会に特有なモビリティ変化を垣間見るのに助かります。

何処に仕事があるか、どんなライフ・スタイルを好むのか、どうして移動するのか又はしないのかの理由等が、うっすら見えてくる気がするレポートです。

ミレニアル世代の移動先トップ5州は、テキサス州が#1、ワシントン州が#2、コロラド州が#3、オレゴン州が#4、そしてアリゾナ州が#5。ジョブ機会が多い南部テキサス州へのシフトが明確となります。そして、クリーンイメージやアウトドア・ライフ・スタイルを思い浮かべる西部の州が続いています。一方、ミレニアル世代が逃げ出すワースト5州は、#1ニューヨーク州、#2イリノイ州、#3ニュージャージ州、#4マサチューセッツ州、#5アラスカ州。大都会離れが浮かび上がります。

シニアのベービ・ブーマ世代の移動先のトップ5は、フロリダ州#1、アリゾナ州が#2、ノース・キャロライナ州が#3、サウス・キャロライナ州が#4、ネバダ州が#5。消費税や所得税にて税的メリットがある南部州がトップを占めますが、実数ベースでは、フロリダ州とアリゾナ州の2州が大部分を占めています。一方で、シニアが逃げ出すワースト5州は、#1ニューヨーク州、#2カリフォルニア州、#3イリノイ州、#4ニュージャージ州、#5ペンシルバニア州と続きます。税高からのエクソダスで昔から変わりません。

ソーシャル・セキュリティや年金の固定収入源に頼るほかないリタイア後のシニアにとって、税率が低くコスト安で温暖な気候の州に移住するのは当然の話です。これは第二次大戦後から変わっていません。

移転先州は世代によって異なりますが、逃げ出す州は、両世代に共通しています。大都市や税高コスト高の地域離れは明らかです。因みにニューヨーク・ニュージャージ北部・コネティカット州西部を含むグレーター・ニューヨーク・メトロポリス地区は、両世代ともに前出53メトロポリス中のワースト#1となっています。

米国社会を眺める際は、世代別動向を見る様に心がけていますが、ブーマ世代とミレニアル世代のモビリティ変化に注視しフォローしてみると、米国社会の変化が鮮明に浮かび上がりますす。

どの業界にあっても、この大きなモビリティ変化を軽視できません。

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