ブランド名とオファー価値の中身は、顧客が期待する価値とリンク・シンクさせ一致させるのがマーケティングで一番大事な事と小生は思っています。
ダンキン・ドーナツからドーナツ名を消す決断が正解か間違いだったかは、来年から始まるダンキン・ブランドのリブランディング戦略の実行実績に待つしかないでしょうが、ダンキン・ドーナツの売上の内、なんと60%以上がコーヒー・ドリンクの売上なんですね。つまり、ドーナツ名を冠するブランドでありながらドーナツに依存しないビジネスになっていたんです。ドーナツ離れがずーっと続いていて、コーヒー関連へのシフトを進めていた訳です。ホールディング会社はダンキン・ブランドと正式に名乗りながら、ドーナツ名を外すリブランディングを何故もっと早く実行しなかったのでしょうか。遅まきながら、ブランド整理と企業戦略をリンクをやっと決断したようです。
これに似たファースト・フードのブランド再構築事例では、インターナショナル・ハウス・オブ・パンケーキが略字のIHOPと、ケンタッキー・フライド・チキンがやはり略字だけのKFCとしてリブランドして出直した事例が思い出されますね。この二つの事例の略字リブランディングに比べれば、ダンキン。ブランドの発表は尤も当然と思います。遅すぎますね。ダンキンDunkinはスナックを手にしたり、売上メインのコーヒーの匂いを感じるようなエモーションに直結した, いい名前だと思います。
但し、この決断にはテスト・ランが数年前からあったと思われますね。ダンキン・ドーナツのコービー・ファンは誰もダンキン・ドーナツに行くなんて言わないようですね。ダンキンに寄ってコーヒーとベーグルを持ってきてねと頼むようです。顧客が使う呼称がありながら、ドーナツ名をつけてのブランドをここ数年続けていたわけですね。さらにダンキンと呼ばせたり、DDと略字を使用したり、ブランド戦略は混乱していますよ。
やっと企業戦略も拡大成長するコーヒー・ドリンクへのフォーカス・シフトが今回のリブランディングで本腰を据えたように見えますが、どう実行していくのか、どれほどスピードを上げ実行に移すのか、興味あるところです。
名目と実態、そして顧客の期待する価値のリンクとシンク。多くの企業が常に引き続き見直し検討継続すべき、重要な経営テーマです。
ドーナツの穴を探しても見つからなかったのは当然でしたね。
Got Strategic Marketing?