先月末に起きたフロリダ州マイアミ郊外パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校での17名の死者を出したオート・ライフル銃撃事件。後を立たない米国の教育の場での銃撃殺人惨事の新たな事例の一つ。これを契機に同高校の生存者高校生が発起して全米規模で企画した銃コントロール要求デモMarch for Our Livesが3/24/18先週土曜日にワシントンDC始め全米800を超える都市で展開された。
吾輩も女房と共にニュージャージーのニューワークでのデモに参加した。高校生が主導して反NRAを訴えるデモには、高校生のみならずこの運動をサポートする子供達、大人、シニアの多くが参加した。
本年11月に行われる中間選挙で初めて投票権を行使できる高校生が、NRAから寄付金をもらう立候補者には投票しないと訴えるVote You Outのメッセージを明確にアクションに繋げる戦略は以前の銃砲コントロール運動と一線を画すスマートな戦略だと感じた。次世代の声を投票をもって政治家の行動に反映する以外の民主的活動は見あらない。直ぐに米国社会の銃砲保持権は変わらないにしても、次世代の声は長期的には何れ憲法を変える事が出来ると信ずる。
March for Out Livesが従来のデモ活動と違うのは、数々の企業のマーケティング戦略に直接に影響を与えるほど、高校生達の銃砲コントロールへの純粋な怒りがインパクトを与えている点にある。
惨事から一ヶ月ほど経ち、まだ数えるほどであるが企業の事業変更を明言した企業がある。そのうち、シティ・グループが先週3/22/18に発表した決断は興味深く、多分もっとも米国企全般に影響力を与えると思われる。
シティ・グループCEOのアイケル・コーバットのガッツある決断を讃えたい。シティ・グループは顧客である小売業者に以下の条件を付け、その条件を充足しない顧客とは取引をしないと明言した。条件とは1)21歳未満に銃砲を販売しない、2)オート・ライフル使用のマガジンの販売をしない、3)銃砲購買者のバックグラウンドをチェックする事。
金融サービス企業が企業理念実現に反する取引をする顧客と商売をしないというのは、勇気のいる事です。特に、銃砲所有の自由が憲法にて保証されている米国社会では、何度惨事が起きても企業は尻込みし、政治家も選挙資金の大きな懐と影響力を持つNRAには楯突かないのが今までのルーチンでした。
次世代の高校生が主導するムーブメントと、それに反応して企業マーケティング戦略の変更を実行すると明言したシティ・グループに喝采したい気持ちです。
企業理念、社会貢献ミッション、そしてリーダーシップ主導のマーケティング戦略決断は、業界フォロアー達と一線を画す大きな差別化となります。シティ・グループがこの戦略をどのように実行に移していくのかとても興味があります。
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