本日のNYタイムズにミチコ・カクタニが新刊「シャタード」ジョナサン・アリエン、エイミー・パーナース共著の書評を投稿していた。戦略とマーケティングの融合一体化・同軸化という視点から本書評を読んで見た。選挙戦という政治の世界でも、戦略とマーケティングが乖離すると本来なら勝てる戦いでも惨めな敗北に繋がると感じた次第です。小生は書評に目を通しただけでこの新刊書をまだ読むチャンスがないが、もしマーケティングを教える機会があればこの本を教材に使おうと考えたりしました。ヒラリー・クリントン選挙陣営の失敗した理由を、戦略とマーケンティングの一体化からの視点で新刊書を読んでみようと思っています。ビジネスでも侵してはいけない教訓が満ちていて大変面白い筈。
ヒラリー陣営は間違った投票者予想データを基にした分析を鵜呑みにし、バーニ・サンダースと争った民主党予備選にて敗退した州の敗北根源原因を検証再考することがなかったらしいし、選挙運営が現場の意見を聞き入れずオープン化とは程遠い組織だったらしい。やはりヒラリー自身が信念として立つ基盤の理念が、選挙民から見る印象・感受とかけ離れており、彼女自身のブランドの魅力無さと明快に伝わる簡単なメッセージに欠け、実態を伴わないメッセージの弱さがあったと指摘しています。それを自覚し修正する事もないまま同じ戦略にて、浮動層やミレニアル世代取り込みを疎かにした事が挙げられるようだ。
面白いのは、トランプ陣営の二倍を凌ぐ資金を集めながらリソース投入配分に戦略性が欠けていたとも指摘されている。浮動票獲得へのリソース投入不足がミッドウェストの州選挙地区レベルの前線から何度となく要求されながらも、ヒラリ陣営はフロントからの情報インプットを無視していた事実も挙げられている。2008のオバマとの予備選のヒラリの敗北から何らヒラリ自身は学んでおらず同じ戦略的な間違いを繰り返していたというコメントもありました。
小生がこの書評より読み取った教訓は、ターゲット・ユーザや顧客・マーケット・リサーチの重要さとその頻度ある信憑性確認検証が重要である点。さらにはテスト結果からの失敗根源の白紙状態からの検証とフィードバックをかけその戦略を即時修正の重要さ。理念が崇高であって決してブレない事とその理念が100%実績を伴うピュアな信憑性を持つことの重要性。ブランドは選挙民・顧客の感じ取る感受評価にて決まるもので、一方的に放つ期待リストではない事。前線からのユーザ体験のフィードバックを基に修正できるフレキシブルな組織文化の重要性。バイアスが掛からない正直に物が言える優秀な幹部を有する重要さ。同じ明快単純なミッションを共にシェアし、フェアーな評価基準を基に一体となり目標達成する組織力の重要性。
最後に、何と言っても重要と思うのは、最終責任は組織トップが持つ事。そして経営トップの戦略と実践遂行リーダーシップとマーケティング能力がやはり重要ですね。
あなたの組織も戦略見直しのチェック・アップが必要では。
Got Strategic Marketing?