17. フォードのリポジショニングは本気か

2/11/17付けNYタイムズの小さな記事が目に止まった。フォードが自動運転AIスタートアップのアーゴAIに今後5年間で$1B投資するという記事であった。

デトロイト3がグーグルやアップルの自動運転技術に対抗するためシリコンバレーにてR&Dセンター開設しソフトウエア人材を確保し独自技術開発を目指す動向は数年前から顕著になってきており、日系自動車メーカーも同様な動きをここ数年行ってきたので目新しい話ではない。ただしよく読んでみると、小さく言及しているが明確に述べられているフォードのCEOマーク・フィールズのコメントにとても興味が湧きます。それは「自動車製造メーカー」から「モビリティ・サービス企業」へポジショニング再構築する戦略を明確に述べている点です。

フォードは、ミレニアル世代が引っ張る「所有からレント」への価値変更動向を見定めて、自動車製造業の成長は頭打ちし更には減少するとする危機感をもって新たな事業領域再構築戦略を模索しているのが分かる。3年程前デトロイトで開催の自動車技術会議に参加した際、フォード会長が言及した「モビリティ・サービス」への事業領域リセットを検討している話を聞いた事を思い出した。

ウーバーやリフトのモビリティ・オン・デマンド・サービスは、所有しながらほとんどの時間は活用していない自動車オーナーがリソースを再利用しモービル・インターネットを使いオン・デマンド・サービスとして利用者に提供する。しかしそれは自動車メーカーにとっては将来クルマが売れなくなる減産を意味する。これをフォードが真剣に将来の脅威と捉えているのを肌で感じたデトロイトでの会議であった。

世界レベルで大都市への人口集中化傾向が予想され、 世界のメガ・シティは地球環境維持観点からも現行の自動車では支えきれなくなり公共交通インフラが重要なモビリティ手段となると予想される。「所有からリソース・オン・デマンド・サービス」への価値シフト動向は現行自動車メーカーにとって明らかに脅威となるが、現行の自動車業界に挑戦する新参エントリにとっては大きな機会となる。フォードはその領域での覇権を目指し、グーグルやアップル等のシリコン・バレー・カンパニーには簡単には覇権を渡さないと宣言しているに等しい。

これに合わせて数ヶ月前NYタイムズにて見かけた記事を同時に思い出した。それはサンフランシスコでフォードがレンタル自転車業スタートアップ企業に投資した話だった。明らかにフォードは事業領域を「モービリティ・サービス」とポジショニングし直し、その戦略を実行に移しながら検証する試験フェイズに入っています。

自動車製造業の粗利益8%に比べて、20%を超えるサービス粗利益へシフトしたいという事だろうが、モビリティ・サービス・カンパニーとしてのリポジショニンがまだまだ目に留まる事は殆どないように感じられて仕方がない。戦略とマーケティングがシンクしていない。まだ本気になっていないのか。本気になった時には遅すぎたと慌て、新参エントリ組に覇権を渡していたという事になりかねない。

あなたがフォードCMOなら、どうします。

Got Strategic Marketing?

IMG_0850

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s