6. 異文化コミュニケーション

マルコム・グラッドウェルの2008刊の「アウトライアーズ」邦題「天才」を再読しました。その中に「航空機事故の異民族理論」と言う章があります。機長・第1オフィサー・フライトエンジニアの3人が普通はコックピットの中でそれぞれの役割を遂行するわけですが、上司にあたる機長への言葉の表現が出身国や民族バックグラウンドによって権力序列度が高い民族の場合無礼に聞こえる等の理由で表現が曖昧になったりタイミングが遅れたりしたために、航空機墜落事故が特定国の航空会社に多発した逸話が紹介されています。違う例では、着陸空港JFKのニューヨーカーの着陸監視コントローラーと権力序列度の高い国の機長以下スタッフとのミス・コミュニケーションが墜落事故に繋がった例を紹介しています。英語が常用語となっている航空操縦環境下でさえも、異文化が持つ独特の表現や年齢・序列等に影響を受けるため表現が曖昧になって受け取り側に間違って解釈されたために何百人を失う墜落事故になりました。

この逸話は顧客が受け取る価値の評価を測ることの難しさを思い出させてくれます。製品・サービスとして提供する価値が本当に顧客に伝わっているのか。または提供者が考える顧客の価値評価と顧客の実際の評価する価値と本当に同じなのか。大部分の場合、大きな食い違いがあると考えていいでしょう。顧客が実際に感じ評価する価値を確認する事が大変重要になります。顧客によって違う価値解釈がされているかも知れません。または同じ価値を明日同じように評価して頂けないのかも知れません。

実はこの顧客価値評価に注視しフォローする事が戦略マーケティングを実行する際、大変重要となります。特に異文化コミュニケーションを必要とする日系企業の米国マーケンティングでは、単純な翻訳ではないローカル視点を完全に理解した顧客の価値評価を間違いなく認識しフォローする事がとても大切です。

一歩間違うと、事業の墜落事故に発展しかねません。

Got Strategic Marketing?

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